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脊椎内視鏡手術について思うこと
過去のコラムの中で私は脊椎内視鏡手術について批判していますが、もちろん内視鏡手術のすべてが悪いと言っているわけではありません。
昔の経験ですが、腰椎と仙椎の間にある椎間板がヘルニアとなり、神経を圧迫した症例がありました。
椎間板ヘルニアは通常、後ろ、つまり背中側に向かって出るのですが、この症例では背骨の真横のお腹に向かって出たため、
通常よりも非常に深いところまで切って侵入しなければならず、傷も大きくなり、とても難しい手術になった記憶があります。
当時内視鏡があったならば、小さな傷でそれほど苦労せずにヘルニアを切除できたと思います。
一方で、内視鏡に向かない症例が結構多くあるというのも事実です。
内視鏡にこだわることで、結果的に手術本来の目的がかなえられないまま、体を傷つけただけで終わってしまうという、本末転倒が残念ながら起こっているからです。
実は、そうした患者さんが私のクリニックにセカンドオピニオンを希望して来られることが少なくありません。
できれば内視鏡手術を受ける前に来ていただきたかったと思うことがしばしばです。
セカンドオピニオンとは、いろいろな治療法がある中で、どの方法がこの患者さんにとって最善であるのかを判断し、それをわかりやすく説明することが目的です。
それには、個々の症例の問題点を明確に把握し、今現在あるすべての治療法について、利点、欠点を含め熟知していることが必要なのです。