頚椎椎間板ヘルニア

KEITSUITSUIKANBANHERUNIA

背骨は24個以上ある脊椎骨(椎骨)が縱につながって一本の柱のようになっています。椎間板は隣り合った上下の脊椎の骨(椎骨)を互いにつなげています。
また、上下の骨の間に挟まっているので、クッションの役割も果たしています。
この椎間板は”今川焼き”のような2層構造になっています。
つまり、”黄色い皮”の部分が線維輪と呼ばれる固めの軟骨で、その中の”あんこ”にあたる部分が髄核と呼ばれる柔らかめの軟骨です。

図1は背骨を左横から見た椎間板のイラストです。左が正常椎間板、右がヘルニアになった椎間板です。shiraishi-cl

椎間板ヘルニアは皮の部分である線維輪が、経年変化やくり返し椎間板にかかり続けるねじれや圧迫などのストレスによって断裂し、その切れ目から”今川焼きのあんこ”に相当する髄核が外に押し出されてしまう状態です。

図2は日本整形外科学会のホームページから引用した腰椎椎間板ヘルニアを後ろから見たイラストです。押し出された髄核が神経を強く押しています。

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頚椎椎間板の症例

図2は81才男性の頚椎MRIです。赤丸の中では第7頚椎と第1胸椎の間の椎間板が後ろに大きく飛び出して(黄色の輪郭)、神経の本幹である脊髄(縱に走る黒い帯)が強く押されてぺしゃんこになっています。このため、両手足にひどい運動麻痺や不快なしびれ、が出て、まともに歩くことすらできなくなってしまいました。排泄の機能も障害されていました。

ご高齢の患者さんなので、ご本人もご家族も全身麻酔による手術のリスクが高いことを心配されていましたが、今まで元気だった人が、急に手足が不自由になったり立って歩くことができなくなったりすれば、寿命は縮んでしまいます。手足の機能が回復すれば、まだまだ楽しい人生を続けられます。そう思って私は手術をお勧めしました。

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図3は左が術後のMRIです。

図2の赤丸で示した椎間板ヘルニアはなくなって、ぺしゃんこになった脊髄はもとの太さを取戻しています。右はCT画像です。首を前から手術しました。第6頚椎と第1胸椎の間の骨を切除して椎間板ヘルニアを取り除き、骨を切除した部分に患者さん自身の骨盤の骨を植え込みました。これを金属のスクリューとプレートで抑え込んでおきました。術後3か月以内に移植した骨は生着し、前方固定術が完成しました。

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患者さんは手足の力が戻って、スムーズに歩けるようになったことを大変喜んでいらっしゃいます。
以下に患者さんからのお手紙を紹介します。


神奈川県在住 81歳 男性 N・Tさま

約半年間、腰の痛みと腹部からつま先までの強い痺れのため、寝込んでいた私は、昨秋、知人の紹介で、白石建先生との出会いに恵まれました。
今回の手術は、頸椎椎間板ヘルニアの前方固定術で、81歳の高齢と神経の集中している箇所で相当難しいといわれ、多少の不安もありましたが、先生のご執刀により、全身麻酔で行われ、覚醒後も、ほとんど痛みも感じず、これまで悩まされてきた下半身の痺れも腰の痛みもほぼなくなり、今では夢のような気持ちです。
手術時間は、約4時間で、翌日昼には、自立でトイレにも行けるようになり、2週間後には退院しました。
お陰様で、術後1カ月のMRI検査でも、順調に経過しており、今回思い切って手術を選択し、名医の白石先生に執刀していただけたことを非常に幸運に思っています。
現在、下半身を鍛えるためにリハビリに励んでおり、これからは趣味の旅行や、囲碁教室へ通うのを楽しみにしています。〈原文〉