脊柱先天性奇形

SEKICYUUSENTENSEIKIKEI

脊柱の先天性奇形は母親の胎内で背骨の一部が作られなかったり、正常な形にならないまま生まれてしまうことで生じます。
脊柱に先天奇形があると、生まれた時から背骨が曲がっていたり、成長とともに背骨が曲がってきてしまいます。
心臓血管系や泌尿器、生殖器にも同時に奇形を伴っている場合も珍しくありません。

症状は、ほかの原因による脊柱変形(脊柱側弯症)と同じように、背骨の曲りの程度によっては外見上の問題にとどまらず、長く立っていたり同じ姿勢を維持することが困難になったりします。
さらには肺や心臓の機能に障害が出たり、女性では出産が困難になることもあります。

しかし、先天性の脊柱奇形では背骨の前後左右への変形が非常に強いことがあり、程度によっては神経の本幹である脊髄が、強く曲がった背骨の中で折れ曲がったり押されたりして、両足や排せつの機能に高度な障害が起きることもあります。

この疾患では幼い時点で異常がわかることが多く、診断も治療も成長による脊柱の変形の進行を念頭に置いて行わなければなりません。
また、ほかの診療科との連携が必要なこと(集学的治療)も多くあります。すべての診療科がそろっている総合病院での治療が必須である所以もここにあります。