脊柱変形

SEKICYUUHENKEI

気を付けの姿勢を取っても背骨が前後左右に曲がってしまっている状態を脊柱(せきちゅう)変形と言います。

背骨は正面から見れば上下にまっすぐですが、横から見ると首(頚椎:けいつい)と腰(腰椎:ようつい)は前に凸の緩やかなカーブを描き、背中(胸椎:きょうつい)は後ろ凸です。
これらの正常のカーブを生理的弯曲と言います。
この自然な弯曲が何かの原因で崩れてしまった状態が問題です。
皆さんが良く耳にする「ストレートネック」も広い範囲で言えば脊柱変形のごくごく軽いものと言えるかもしれません。

この病気の原因にはいろいろありますが、最も多いのが特発性(とくはつせい)側弯症と言って、原因が不明ながら側弯症の大半(60~70%)を占めるものです。
多くは女子に発症し、成長が止まるまで背骨の曲りが進行します。

ところが子供時代には側弯症がなかったのに、中高年で椎間板や背骨がつぶれたり、隣り合った背骨同士がズレたり(すべり症)して急速に背骨が曲がってくるタイプもあります。
これは背骨の中でも腰の骨が曲がることがほとんどで、こどもの特発性側弯症と区別して腰椎変性(へんせい)側弯症と言われます。
このように他に原因があり、それに引き続いて起こる変形を症候性(しょうこうせい)側弯症と言います。

もう一つは先天性側弯症と言って、母親の胎内で背骨の一部がつくられなかったり、異常な形になって生まれたため、背骨が曲がってしまうタイプもあります。

背骨の曲りの程度によっては外見上の問題にとどまらず、長く立っていたり同じ姿勢を維持することが困難になったりします。さらには肺や心臓の機能に障害が出たり、女性では出産が困難になることもあります。