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名医という言葉


欧州頚椎外科学会にて

面と向かって患者さんから言われると、いつもどう反応したら正解なのかわからなくなる。
「いやあ、そんなことは…」と謙遜すべきなのか、心の声に従って、「そうなんですよ」と自信満々に答えていいものなのか。
真面目に診療してある程度の年になれば、皆ひとかどの自信は持っているだろう。

だがよく考えてみると、私の患者には医者が多い。
中には名実ともに名医と呼んでいい人たちもいる。
ある時ニューヨークから突然自宅に電話がかかってきて、相手が教科書にも載っている
泌尿器科の名医だったので、取り次いだ妻も興奮し、その時だけは尊敬のまなざしで見て
くれたような気がする。
またある患者さんが入院して来た時、急に内科医たちが色めきだったので何だろうと
思っていたら、どうもγ-GTを発見した人だったらしい。
だから、私が名医かどうかはわからないが、少なくともわたしの患者には名医が多いというのは事実だろう。

それが近頃、創業者会長という人たちが増えてきた。
この人たち、誰かの紹介状を持って来るわけではない。
直接私のホームページを見て自分で判断してやってくる。
医学的には皆さん素人である。
ただし、自分の判断には絶対的な自信を持っているように、傍からは見える。
しかもエネルギッシュで、だからあんな会社を立ち上げることができたんだろうなと、
毎回つくづく感心してしまうのだ。

もちろん私のクリニックを受診されるのは、数多い医者の中から私を選んでくださった
患者さんばかりなので、いつもそのことには、心から感謝をしている。